続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

シャルリー・エブドに対する偏向報道がまた始まった(加筆&再加筆済)

この苛立ちを一体どこにぶつければいいのか・・・

 

 

日本のメディアがまた、シャルリー・エブドの風刺画に対する偏向報道を始めました。同紙の原発を題材にした風刺画掲載(3月18日付)を受けてのことです。

 

http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/jiji-2015031801021/1.htm

 

http://www.yomiuri.co.jp/world/20150318-OYT1T50182.html

 

 

まず私は、この風刺画に対する日本メディアの反応の速さに驚かされました。

 

この風刺画は、フランスの原発の実態を揶揄することを主な目的とし、3枚構成の最後の一枚だけが福島に触れています。また今週号を全体的に見てみると数日後にせまった県議会選挙などに多くのページが割かれていて、この一枚はおまけにしか見えません。それを大手メディアのほとんどが即日報道して、日本列島を駆け巡らせてしまいました。チュニジアのテロで日本人が犠牲になった日と重なったため影は薄くなったものの、どう見ても過剰反応だと言えます。

 

 

各紙の記事は問題とされる風刺画をこのように描写します。

 

〈シャルリ紙の風刺画は「春」と題し、煙が出ている福島第1原発を背景に、放射能被害の影響で巨大化したとみられる鳥の足跡を描いた。防護服を着た2人の作業員がこの足跡を見ながら「今年最初のツバメだね」と話している。〉

 

そして

 

〈今回も日本の関係者の反発を呼ぶ可能性がある〉

 

と危惧する・・・

 

 

「放射能被害の影響で巨大化したとみられる鳥の足跡」を描いたからと言って、そういう実態があると言っているのではない・・・ということは風刺画を見る上で百も承知のことだと思っていたのですが、そうではなさそうなので予め断っておきます。

 

 

事実をある程度誇張して笑いをとるのが風刺なのだから、いちいち真に受けていては限がありません。

 

 

実際のところ、福島やその周辺の鳥は減少していて、残った鳥の多くにも白化現象(突然変異)が確認されています

 

 

鳥が巨大化しているという報告は(今のところ)ないが、福島の鳥に異常が確認されているのは事実なのです!

 

 

それを報道しない自分たちのことは棚に上げて、風刺新聞が事実を風刺しただけで騒ぎ立てるなんて、なんとも情けない。

 

 

わざわざ鳥の異変を例にとらなくても、福島原発やその周辺が今も汚染されているのは紛れもない事実です。だからその現状を風刺するのは決して不自然なことではなく、それどころか、健全な社会を維持していくためには、現状を明らかにしない政府や東電、メディアを“馬鹿にする”風刺新聞は、必要不可欠な存在であるべきです。

 

 

福島原発の事故は収束していません。だから首相のアンダーコントロール発言も真っ赤な嘘です。

 

 

それなのに、日本のメディアや知識人の多くは、風刺画とは「事実を誇張して権力者を揶揄するもの」という根本的なことを理解していないために、今回の風刺画も“福島”が馬鹿にされていると勘違いしています。

 

 

ほら吹き政治にひれ伏す報道関係者に、意味さえ理解していない風刺画を批判する資格はない、と私は思います!