フランス人同士で殺し合うということ
一昨日に続いて今日も、フランスがシリアを空爆しました。
事実上の報復攻撃です。
一方、パリ連続テロの実行犯7名のうち4名がフランス人であることが判明しました。(現在指名手配されている主犯格の男もフランス人(実行犯の一人の兄)
「イスラーム国」のフランス人戦闘員がフランスでテロを起し、外国人戦闘員の中ではフランス人が最も多数派の「イスラーム国」をフランス軍空爆する・・・
要は、“フランス人同士の殺し合い”と言っても過言ではない戦いが始まってしまったのです。
オランド大統領は「これは戦争なんだ」と言いました。
でも私には国境を越えた紛争に見えます。
一ヶ月前、フランスが「イスラム国」への空爆を決めたとき、シャルリー・エブドは以下のような風刺画を掲載しました。
「フランスがシリアのフランス人を爆撃する」
「フランスがシリア在住の(自国の)若者を爆撃する」
「フランス人がフランス人を爆撃する」
(戦闘員と見られる人物が「フランスのユーモアがわかるようになったところなのに!」と涙ながらに訴えている。)
この頃(一ヶ月前)、「フランス人がフランス人を殺している」ということに関心を示したメディアはシャルリー・エブドだけでした。
「イスラーム国」の戦闘員はもちろんフランス人だけではないので、「フランス人対フランス人」とは一概には言えません。
でも、フランスで生まれ育ったフランス人がフランスでテロを起こしてフランス人を殺し、その報復にフランス軍がフランス人が多く所属する「イスラーム国」を攻撃している、という事実は直視するべきだと思うのです。
テロリストが、悪魔でもモンスターでもない、フランス国民であることを・・・
・・・と、書いてみましたが、庶民には戦争だの紛争だのという実感はまだありません。
ただし、恐怖との戦いはすでに始まっています。
今まで私たちの回りをなんとなく漂っていた恐怖が今回のテロで根付いてしまったような、振り払えない恐怖と向き合うことを強いられている気がします。
息子を幼稚園に送り出すときの憂鬱といったら・・・
普段通りの生活をすることが、これほどまでに難しいと感じたことが今までにあったでしょうか?