息子の願い事 2017
日本における初詣での「祈願」に相当するフランス語は、恐らく「Les voeux」。
例えば、フランスの大統領の「Voeux」は、12月31日に全国一斉にテレビ放送され、ゆく年の反省と来る年の祈願が語られることになっています。
各家庭でVoeuxを語り合うほどの風習はありませんが・・・
1月3日に新年初登校した息子は、さっそく学校で人生初の「祈願Les voeux」を書いてきました。
まだ小学校1年生なので、「祈願」というよりは「願い事」というほうがしっくりくるかもしれません。
息子の願い事は二つ。
学校で支給されたノートの最新ページに、Je souhaite〜(私は〜を願う)で始まる文章が二つ並んでいました。
一つ目は・・・
Je souhaite que mon papa ramasse toujours les déchets.
フランス語がわかる方は、「なんじゃそりゃ〜」とずっこけてしまったかもしれませんが、日本語に訳すと・・・
「パパに今まで通り、ゴミを拾ってほしい。」
となります。・・・って我が子は何を言っているのでしょうか(笑)
親の私たちも一瞬考えてしまったのですが、実はこれにはちゃんとワケがありました。
というのも、数年前、うちの旦那さんは勤務先の中学校の生徒たちと「Grün team(ドイツ語でグリーンチーム)」という“チーム”を結成しました。
校内・校外を問わず、生徒たちのゴミのポイ捨てが酷いのに痺れを切らし、自分たちで拾わせるために考えた苦肉の策でした。
“チーム”と言っても、メンバーはローテーションで全校生徒に回ってくるようにしたので、日頃から所構わずゴミを捨てまくっている生徒も、やむを得ず自覚するようになる・・・
という効果を期待したのですが、実際はゴミをポイ捨てをする生徒がいなくなることはありません。
中学校の敷地内にある我が家からはGrün teamの効果のほど(というより効果のなさ!?)を日常的に確認でき、外に出るたびに「汚いなぁ。また落ちてるよ。」というパパの発言を何度も耳にしていた息子。
「まだゴミはなくなってないから、パパにはこれからもGrün teamを続けてほしい」
という思いを込めたのが、最初のVoeuxだったのです。
息子の担任教諭がこの一文の意味を理解したかはちょっと不明・・・
というより、「〇〇のところのお父さんは、外でもゴミを拾ったりして、潔癖症なのかしら」とか「家庭内での掃除担当はパパなのかしら」とかいろんな風に解釈できる文章なので、旦那さんの心境は複雑です(笑)
二つ目の願いは・・・
Je souhaite que tout le monde fasse du sport.
訳すと・・・
「みんなにスポーツをして欲しい。」
これは、一文目ほどの突飛さはありませんが、具体的なので笑ってしまいました。
息子がなぜ「スポーツ」にこだわったかと言えば、親の私たちがしょっちゅうテレビでスポーツ観戦をしているから、というのもありますが、息子自身も体を動かすことが大好きで、その楽しさを他の人にも知って欲しいと思って書いた・・・
と、親バカ風に解釈できます。
ちなみに息子は、今年度、3つのスポーツ教室に通っています。
一つ目はすでに3年目になる「ハンドボール」、二つ目は2年目の「テニス」、三つ目は今年度から始めた「ラグビー」。
フランスでは、息子と同年代の子供(小学校低学年)はスポーツ教室を2つ掛け持ちしている子供が結構いるのですが、さすがに3つは珍しく、登録する前はかなり迷いました。でも息子はやる気満々だし、「3つもできるのは今のうち(どの道一つに絞らないとならない)」、ということでやらせてみることにしました。
当の本人は今のところ文句一つ言わず通っている・・・どころか、とても楽しそうで、疲れている様子が全くない!
しかも他人にスポーツを勧める余裕まであったりして(笑)
親の私としては、これからもどんどん体を動かして健康に育ってほしい、というのが尽きることのないVoeuxです。