続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

未だにこの時期になると聞かれること

数日前、うちの町の某公共機関に出向く用事があり、受付のおばちゃんと話をしていて、こんなことを聞かれました。

「そういえば、新年のお祝い中でしょ?」

ここでいう新年とは、日本語の「春節(旧正月)」のこと。

今年は2月12日がそれにあたり、フランス人の多くはほぼすべてのアジア人がこの日をお祝いすると思っています。

ちなみに、そのおばちゃんは私が日本人だと知って、日仏混血の甥の話を始めて大盛り上がりした後で、冒頭の質問をしてきました。


私はフランスの田舎町に住んでいるので、この類の話は「田舎の逸話」なのか、「フランスの一般論」なのかを見極めるのが難しいのですが、今回は後者だという自信があります!

というのも、全国展開する「La Vie Claire」というオーガニックのチェーン店が、こんなチラシを作ったから ↓


f:id:mafrance:20210219190210j:plain

(表と裏)

f:id:mafrance:20210219190922j:plain

(「2月12日は“中国のお正月”!」とアピールする裏表紙)


≪春節とも呼ばれるこの行事は、4000年続く重要なお祭りで (中略) この旧暦のお正月は、北朝鮮、韓国、日本、ベトナム、タイ、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどのアジアの広い範囲で祝われる。≫

春節仲間に(恐らくカンボジアかラオス辺りの代わりに)“Japon(日本)”がしっかり入っています!(見にくいけどオレンジの下線部。)

このチラシ以外にも、その他諸々のスーパーのチラシの春節特集ページには毎年、日本のお寿司とか、お寿司の材料、なんてものが当然のごとく掲載されます。


前述のおばちゃんに、日本の新年は1月1日で、私自身は春節の存在を知ったのが渡仏後で~と軽く解説してみると、こう結論づけてくれました。

「要は、春節も商業主義の一貫なのね。」

???

一瞬考えて、理解しました。

中国の文化とは何の縁もないフランス人が広告などで今ちょうど旧正月だと知って中華料理を食べようとしたり、日本人が春節を祝わないことを知らないフランス人がスーパーのチラシを見て春節の時期にお寿司を食べることにしたら、どちらも食品業界の勝ち!なわけです。

日本びいきの多いフランスで、敢えて“日本”を春節に入れる戦略をとっている企業もあるかもしれません。(・・・そうなのか!?La Vie Claireさん!)

いやはや、おばちゃんお見事っ!