続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

戻ってきたベンゼマ

1年延期になっていた、サッカーのユーロ(欧州選手権)を控えるフランスで、代表選手が発表されました。

その発表が、5月18日、夜のニュースで、生放送で、大々的に注目を集めたのには、わけがあります。

なんと、“あの”、カリム・ベンゼマが、代表に返り咲いたのです!

あまりよく知らない方に簡単に説明すると、現在33歳のベンゼマは、プロ入り以来、名門クラブやフランス代表でゴールを量産し続けている(特に今季は素晴らしかったらしい)、誰もが認める名フォワードです。

ただし!素行が思わしくなく、逮捕歴があることでも有名な、問題児でもあります。

ちょうど5年前、ユーロの代表から落選したとき、彼は、落選理由を「(アルジェリア系に対する)差別だ」として、当時すでに監督だったデシャンを、差別主義者呼ばわりしました。

https://mafrance.hatenablog.com/entry/2016/06/05/175538


落選理由は素行にあったわけですが、この発言で火に油を注いだベンゼマが、その後、代表に選ばれることはありませんでした。

もう歳も歳だし、他の選手の平穏を保つためにも、戻ってくることはないだろう・・・

誰もがそう思っていただけに、発表前に“復帰”情報が洩れたときは、ネット上で大騒ぎになりました。

—代表選手発表の翌日ー

ほとんどパニック状態だし、ニュースではトップ扱いだし、「今日のレキップ紙は手に入らないだろう」と踏みつつ、私は、シャルリー・エブドだけでも買うつもりで、近所のキオスクに向かいました。

するとどうでしょう!

夕方の6時を回っていたというのに、10部はあるであろう、レキップ紙の束が残っていたのです。

余裕で手にした、5月19日付レキップ紙 ↓

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見出しは『リーダーのサプライズ』(「シェフのサプライズメニュー」という意とかけている)


そして、何をそんなに書くことがあるんだ??と思ってしまう、9面に渡る、ベンゼマ特集 ↓

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「溝は埋まった」「フォワードの間でムードメーカーになるだろう」「エムバペ・グリエーズマン・ベンゼマで無敵」なんていう、ポジティブな記事が続いた最後を締めくくるのは・・・

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ベンゼマ・デシャン監督・フランスサッカー協会理事の間にあった“確執”に関する記事、そして「10月に控える訴訟」という、現実的な記事。

ベンゼマは、バルブエナという元フランス代表選手から金銭をだまし取ろうとした犯罪に関わったとして、10月に法廷に立つ予定なのです。

デシャン監督がベンゼマを再招集した経緯は、二人だけの秘密として全く明らかにされていませんが、ベンゼマから謝罪を試みたという推測が大半を占めています。

この6年間、大きな大会前に代表選手が発表される時期になると、度々、自身のSNSでブツブツと呟いてきたベンゼマは、本当に心から反省しているのか、それとも・・・!?

どちらにせよ、ベンゼマのサッカー選手としての評価は高く、発表の数日前に行われたレキップ紙の最新の調査では、53,3%(25万4000人)が、「ベンゼマにフランス代表に復帰してほしい」と答え、フランスサッカー界においては、ほぼ満場一致でベンゼマの復帰が歓迎されているようです。

フランスの初日は、6月15日・・・対ドイツ!

色んな意味で目が離せません。