フランスの原発に相次いで停止要請! 今年の冬は電力が不足するかも!?
10月19日、フランスの経済新聞Les Echosが「フランス全国の原発に対する停止指示が相次いでいる」、という趣旨の記事を一面トップで報道しました。
この記事と17面の関連記事によると、フランスではすでに全国58基中、21基が検査の前倒しなどを理由に停止していて、原子力安全局(ASN:フランスの原子力規制機関)が新たに要請した5基を合わせると停止中の原子炉数は過去最高になるのだそうです。
私自身、原発のニュースはチェックしていたはずなのですが、フランスの原子炉の3分の1がすでに止まっていたとは知りませんでした。
事故が起きる前に止めて検査をするのはもちろん良いことですが、この数はちょっと異常だと感じます。
これは、それだけ老朽化が進んでいる原発が多いのと、原発は人が作ったものであり、それが日本だろうとフランスだろうと決して完ぺきではないことを証明していると思うのです。
そして、この記事よりも更に私を不安にさせたのが、数日前に偶然見つけたこの記事 ↓
スイスの「Le Temps」という新聞が、「フランスで事故が起きれば、その被害はチェルノブイリと福島を上回るだろう」と4月に報道していました。
実は、今回の停止指示で、あの最も危険だと言われている、アルザス地方のFessenheim原発の原子炉が今後数週間を目途にすべて停止することになっています。
環境大臣のセゴレーヌ・ロワイヤルは、Fessenheim原発の閉鎖時期について「数千人の職をそう簡単には奪えない」というようなことを言っていましたが、結局、強制停止を余儀なくされることとなりました。
そして今、彼女は、「原発の安全は政府の最重要事項の一つです。」と、手のひらを返したような発言をしています。
要は、ここ数か月で、フランス各地の原発の安全性を相次いで指摘され、実際に原子力規制機関に待ったをかけられ、ことの重大さを理解したのでしょう。
数千人の首をつなぐために、フランスのみならず、ドイツやスイスの何百万人の人たちの生活が犠牲になれば、後悔してもしきれません。
せめて「フランスは事故が起きる前に止めた」と言ってもらえるように、とことん検査をして、慎重な対応をとってもらいたいものです。
(停止理由などを書いた簡単な記事を、例によって日刊べリタに載せてもらいました ↓
原子炉停止の主な原因は日本製の蒸気発生器だそうです(汗)