ついてるガレット・デ・ロワ
おととしのこの時期にやっとの思いで手に入れたフェーヴを、去年使い切ったことを思い出したのは年明け。
今までに集めた30個以上あるフェーヴの中から使いまわすこともかんがえたけれど、それでは息子が楽しめない。
というわけで、今年もパン屋をはしご。
でも3軒まわって諦めました。
答えはおととしと同じ「今は売れない(売らない)」
残るはネット注文?
いやいや待てよ。
大型スーパーで“まとめ売り”していたのを見たことがあるから、ココにもあるかもしれない。
と、駄目もとで探してみることにしたのはMONOPRIXモノプリ。
入店して最初に目が合ったのは店長さん。
別にお得意さんでもなんでもないけど、小さい町だから顔見知り。
自分で探すつもりだったけど、せっかく目が合ったから質問。
「Bonjour、フェーヴ置いてますか?」
答えは・・・
「Non」
あぁやっぱり・・・と諦めようと思ったら・・・
「いくつ必要ですか?」と思ってもみない逆質問。
「・・・?」
答えに迷っていると
「着いてきて」
(あなたに?)
言われるままに着いていくと、店長さんは従業員専門扉から姿をくらます。
数秒後、戻ってきた店長さんの手には・・・
本の形のフェーヴが5個も!
「期限切れのガレット(・デ・ロワ)からフェーヴを取り出して残してありました。」
なるほど。
店長さんったら太っ腹!(実際も「太腹」だし 笑)
家に帰ってフェーヴをよく見てみると・・・
それぞれにちゃんと本の題名が書いてあることに気づきました。
試しにググってみると・・・
Un diamant sur canapé (『ティファニーで朝食を』の原作! ただしフランス語の映画のタイトルは『ソファの上のダイヤモンド』・・・フランス人に「ティファニー」と言っても知らない人がほとんどだから?!)
Le vol du diamant(=「宝石泥棒」これは文芸作品ではなくてゲームの題名?要確認)
Les diamants sont eternels(007シリーズ『ダイヤモンドは永遠に』)
à la poursuite du diamant bleu(1984年制作のハリウッド映画『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』)
Les diamants du Nil(1985年制作のハリウッド映画『ナイルの宝石』。『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』の続編)
という感じで、ほとんどが実在する作品! (しかもフランス語のタイトルはダイヤモンドつながり 笑)
気前のいい話の後も気前よく・・・
というわけで、1月6日のガレット・デ・ロワの日に誕生日だった息子の友達に、あだ名入りガレットを作りました ↓
でも、その数日後にまた作ったので、残るフェーヴはあと一つ。
そろそろまたモノプリに行って・・・
なんていう冗談はさておき・・・
旦那さんが得た情報によると、どうやらフランシュ・コンテ地方にフランスで唯一のフェーヴを作っているメーカーがあるのだとか。
ホームページには、大小様々なフェーヴがずらり!
http://fabophile.fr/index.php/fr/feves.html
フランスで唯一のメーカーということは、唯一のフランス製(※)。
裏を返せば、ここのフェーヴ以外はほとんどが中国製!?
来年用のフェーヴはパン屋をすっとばして、ここで買うことにします!
※追記(2021年1月25日)
上記で紹介したフェーヴの会社は、フランス人が経営しているとはいえ、フェーヴはベトナムで作らせていることが判明しました 汗
フランスで唯一(?)フランス製のフェーヴを作っているのは、こちらの会社 ↓
https://www.fevesdeclamecy.com/
~ガレット・デ・ロワとは?~
キリスト教の公現祭の日・1月6日頃に食べる、アーモンドクリームが入ったパイのこと。1〜3個のフェーヴ(陶製またはプラスチック・・・)を入れて焼く。フェーヴが当たった人が王様または女王様として紙製の冠をかぶり、その一年幸運が続くとされている。ただしパイを食べる習慣はキリスト教とは無関係。ローマ時代に若い兵士の中から王を選ぶために始まった習慣が、数世紀のときを経て公現祭の日に行われるようになった。