オーガニック見本市と脱原発
日曜日、ブザンソンで行われた「Salon Bio(オーガニック見本市)」に行ってきました。
オーガニック限定の見本市は今回が初めてでしたが、すれ違う人の多くがオーガニックに傾向していると思うと感慨深いものがあります。
ただし
Bio(オーガニック)という名の通り
食料品や ↓
(オーガニックチョコレートのブースにカメラを向けると日本人のような反応をした販売員 笑)
オーガニックコットン ↓
などのブースはいくつかありましたが
それよりも・・・
スピリチュアル系(水晶、天然石 etc)のブースが多くて、ちょっと引きました(汗)
(お経を読むときに鳴らす道具が巨大で真っ白。その説明に真剣に耳を傾ける家族・・・)
思えばオーガニック専門店も、そっち系に力を入れている店が結構あったりします。
フランス人(欧米人?)の間では、オーガニック=ナチュラル=自然の力、みたいな方程式が成り立つらしい。
そして、スピリチュアル系がBio(オーガニック)に分類される広義の意味での“オーガニック”見本市なので、当然、“彼ら ↓”も参加していました。
日本の「鯨を獲り隊」と格闘して話題になった「シーシェパード」
誰もが知ってる環境保護団体「グリーンピース」
そのほか、昔ながらの工法で作る家 ↓
(茅葺(かやぶき)の壁?)
家庭の水を浄水する大掛かり過ぎる装置 ↓
などなど、もうなんでもありのブースがひしめく中・・・
なんと!
Charb(※)の絵を掲げているブースを発見! ※ テロで犠牲になったシャルリー・エブドの元編集長
横断幕を見てみると・・・
写真では切れてるけど・・・Inactif aujourd’hui ? radioactif demain ! non au nucléaire Besançon (今日動かなければ、明日は放射能まみれ!原発反対 ブザンソン)
ブザンソンの脱原発団体ではありませんか!!!
福島の風刺画が被災者を馬鹿にするために描かれていると思っている人には信じてもらえないでしょうが、シャルリー・エブドはれっきとした脱原発派です。
原発の恐ろしさをもっとも言い当てているのは彼ら風刺新聞であることを証明するかのように、このブースの壁には彼らの絵が所狭しと掲げられていました。
私が興味津々でブースを見ていると、担当者の中年女性に声をかけられました。
「ここは原発の実態に関心をもってもらうための場所です。」
すかさず
「日本人なので・・・」
と話し始めたとたん、女性はもう一人の担当者に
「ちょっと、この方日本から来たんですって!」と言って大興奮。
暴走政権のこと、帰還を押し付けられる福島の被災者のこと、エートスのこと、フランス人の原発に対する無関心ぶり 等々 話題は尽きることなく、20分近くその場で立ち話をしました。
聞くと、先月の11日にはブザンソンに150人が集まって、小規模ながらも脱原発デモをしたのだとか。
同じ日に、老朽化が問題になっている原発の閉鎖を求める大々的なデモがストラスブールであったことは知っていましたが、ブザンソンでも人が集まっていたとは・・・
ただし、日本人の参加者はゼロ。
次のデモは這ってでも行きます!と約束して、連絡先を記入しました。
不定期発行の機関紙(3月号) ↓
表紙のタイトルは「福島原発の爆発事故、2011年3月11日を忘れない」
そして、ここで使われているのもシャルリー・エブド(Cabu)の風刺画
1970年 「(原発は)絶対に安全です!」
1990年 「たぶん大丈夫でしょう!」
201・・年 「運がよければなんとかなるでしょう!」
表紙右下の「3,11集会のお知らせ」では、「集合場所ではシャルリー・エブドの風刺画が目印」と明記されていました。
裏表紙にも ↓
訪問者(右) 「こんにちは。原発を爆破しにきたんですが・・・」
警備員 「その必要はなし!もうあちこちで漏れてます。」
(↑ これ、面白いと思うんだけど、やっぱり日本人は笑わないのかなぁ・・・)
フランスが原発大国であることがよくわかる「フランス原発マップ」ももらい
脱原発ステッカーを買いました。
オーガニックの見本市で遭遇するとは予想だにしなかった、まさかのシャルリー、まさかの脱原発団体
見本市が広義だったからからこそ得られた、思いがけない収穫でした。
※ 脱原発団体のブースで一番最初に目に入った風刺画を訳付きでもう一度 ↓
Areva(フランスの原子力産業複合企業)の人員削減
「燃料棒を(もぐって)取ってきた人が会社に残れます。」