フランスで命を狙われるタイ人たち
10月13日、タイの国王が死去したことが世界中でトップニュースになりました。
タイという国は、日本でもフランスでも贔屓にしている人が多いので、今回のニュースは他人事とは思えなかった人が少なくなかったのではないでしょうか。
特に、日本の場合、象徴とはいえ天皇制が残っているので、私が見た限りでは、かなり大々的に報道され、今も関連記事が絶えないようです。
ただし、日本とフランスの報道では、その内容に大きな違いがありました。
まず、日本では追悼一辺倒の報道が続いているのに対して、フランスでは、追悼ムードから一転、国王死去の一週間後に、反王政主義者の現状を大手各紙が一斉に伝えました。
というと、「フランスは王様に懲りてるからね、反王政主義者の肩を持って自己弁護したいんでしょ?」
と勘繰る人がいるかもしれませんが、そうではありません。
今、反王政主義者のタイ人に何が起きているかというと・・・
なんと、彼らが“魔女狩り”の標的になっているのです!
しかも、タイから遠く離れたフランスでも!
実は、タイでは国王や王室を批判することが憲法で禁止されています。
違反者は3〜15(!)年の禁固刑。
だからタイ国内で国王を批判して逮捕されるのは当然と言えば当然なのですが、フランスにいるタイ人までが表現の自由を奪われているというのは異常です!
もちろん、フランスまでタイ警察がやってきているわけではなく、在仏批判者をせっせと強迫しているのは、いわゆる「右翼団体」。とはいえ国王お墨付きの団体だそうで、無視できません。
実際にパリで強迫にあった女子学生は、大学や自宅を突き止められたリ、殺し屋を雇うためにお金を募られたりしているそうで、たとえそれが単なる脅しだったとしても、本人はそうとう怖い思いをしているはずです。
そして、こんなに恐ろしいことが追悼ムードの裏で起きていることを一切無視して、「いやぁ、タイの国王は国民に愛されていたんだなぁ」と思わせる報道を続けている日本のメディアの神経が私には理解できません。(「知らなかったんだよ。」・・・ってそんなわけがないでしょうに。)
詳しいことは、また例によって日刊べリタに書きました ↓ 是非読んでください!
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201611042136275
〜参考記事〜
(リベラシオン紙 ↓)
(L'Humanité ↓)
http://www.humanite.fr/thailande-le-roi-est-mort-les-opposants-peut-etre-618574
(ルモンド紙 ↓)