「子供の落書きこそ芸術だ」
・・・と言ったのはJean Dubuffet(ジャン・デュビュッフェ)というフランスの画家ですが、日々子供と接するのが仕事の人たちの中にも同じように思っている人がいるようで・・・
息子の通う幼稚園がこんな素敵なものを作りました ↓
クラス全員が描いたBon homme(人物画)を並べたランチョンマット!
一人一人の絵を見るのももちろん面白いですが、こうして並べると更に芸術性が増すような気がします。
あまりに素敵なので、我が家は3枚購入。(はい、有料です(笑)一枚1,5ユーロ也)
これを受け取った当日は、息子と一緒に穴が開くほど眺めました。
そして気づいたことがあります。
手の描き方が面白い。
私自身が子供の頃どんな人物画を描いていたかはかなりうろ覚えで、他の子供の絵となると更に覚えていませんが、日本の子供はこういう手を描かない気がするのです。
例えば・・・
この二人は手が「花」の形 ↓
左の子は足まで「花」!右の子は「太陽」 ↓
左は「十字」で右は「雪の結晶」のよう
十字や雪の結晶はよくありそうですが、「花」や「太陽」はどう見ても「花」や「太陽」にしか見えず、かなりインパクトがあります。
これがフランスの子供たちの一般的な傾向なのか、この学校、もしくはこのクラスだけなのかは不明ですが、手の形を一生懸命描こうとするのではなく、花とか太陽みたいにしちゃったほうがキレイだよね、と割り切っている感じが面白いと思うのです。
更に面白いのが・・・
今年の年中組みの授業の一環で、Dubuffet の作品を使ったお勉強をしていたこと!
息子のノートより。Dubuffetの自画像を色や線を使って仕上げるお勉強 ↑
実際の自画像 ↓
これはDubuffetの作品をばらばらにして「モンスター」を作ろう!というもの ↓
Dubuffetが生きていたら「自由に描かせたほうがいいのに」と眉をひそめそうですが、これはこれで興味深い試みだと思いました。
Dubuffetは子供の絵を称賛していただけでなく、(自画像を見ても分かるとおり)自らの作品にもその傾向を取り入れていたので、子供たちが彼の作品を題材にすることは「真似の真似」つまりは誰かが他の子の真似をしながら上手な作品を仕上げ、それを真似ることに共通するものがあります。そう考えると、Dubuffetの作品は普段のお絵描きの授業の延長線上にあって取り入れやすいのかもしれません。
ちなみに息子の人物画はコレ ↓
手は無難に「雪の結晶」でした。