あなたは子供にテロの話をしますか?
我が家の5歳児は、テロがあったことを知りません。
金曜日(テロ当日)の夜のうちに旦那さんと話し合って、息子には話さないことにしました。
知らせないまま土曜日の夜に窓際でロウソクを灯し、月曜日の正午に役場で黙とうした後ラ・マルセイエーズを斉唱し、火曜日にサッカーのイングランド対フランスの前半をテレビ観戦しました。
いつもと違う様子に「何で?」「どうして?」と日仏両国語で質問攻めにしてきましたが、言葉を濁したまま今日に至ります。
1月7日のテロの後は、大規模な集会に出かけたときに、「シャルリーが悪者にやられたんだよ。でもまた復活させるためにこうやって皆で応援してるの」とおとぎ話風に話しました。
でも今回標的になったのはフランスそのもの。
パリにも何度か行ったことのある息子に「パリがやられた」と言えば悪戯(いたずら)に恐怖心を植えつけてしまいそうで言えないのです。
テロの後、幼稚園で言葉を交わしたママたちは「(子供には)簡単に説明したわよ。」とさらっと言います。
3歳の子供に話したというママもいました。
大人でも理解に苦しむことを幼児に?
フランスの小・中学校では授業で取り上げるかどうかは教員の判断に委ねられました。
小学校高学年以上なら、逆に説明しなければならないと思います。
でも息子はまだ5歳。
パリから遠く離れたところに住む5歳の子供が今回のテロを知る必要があるのか・・・
私たちがしていることは怠慢なのか・・・
と悶々としていたら・・・
シャルリー・エブドがこんな風刺画を載せました ↓
男の子 「パパ・・・テロって何?」
父親 「・・・それよりも、どうやって赤ちゃんを作るか教えようか?」
また誤解があるといけないので断っておきますが、この絵は「テロとは何かよりも子供の作り方を教えよ」と言っているのではありません。(今までそういう読み方をする日本人が沢山いたので、念のため)
この風刺画は、これまで子供に答えるのが一番難しかった(嘘を織り交ぜた回答しかできなかった)質問:「赤ちゃんはどうやって作るの?」を上回る質問:「テロって何?」が現れた、と言っているのです。
今回のテロの複雑さ、そしてテロがフランス人に与えた動揺が見事に風刺されているのではないでしょうか。
この風刺画に共感した保護者は多いはず。
かく言う私も、少なくとも作者のママさん風刺画家・COCOは、「言えないよね」と言っていることに安心してしまったのでした。