続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

ロックダウンをものともしないフランス人たち

10日ほど前、フランスでは、新型コロナに対する措置で18時以降は夜間外出禁止だったのが、19時に繰り下げられました。

ここ数か月、感染者数が毎日数万人規模で横ばいなのに、なぜ“緩和”されたかというと、数日前に夏時間になり日没がどんどん遅くなるのに午後6時に帰宅させるのは酷だとか、平日にも買い物をする時間があったほうが土日に人が集まりにくくなるなどの理由があるようです。

では、なぜ夜間外出禁止かというと、それは政府も公表している通り、夕食に招き招かれることによる感染拡大を防ぐためです。

フランス国内のバーやレストランは昨年の10月から閉まったままなので、それらの場所における感染リスクは既にありません。

でも、外で集まれないなら、家で集まろうと思ってしまうのがフランス人というもの。

マクロン筆頭の政府関係者も、「自分自身がやってしまいそうなこと」に思いを馳せて、規制を引いているのでしょう。

とはいえ、夜間の外出禁止は、フランス人にはなんのその。

大抵のフランス人は「じゃぁ昼食に招待すればいいだけじゃん。」という結論に至ります。

以下の新聞は、3月6日付ですが、写真を見る限り、既に日中に外で集まりまくってます!

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(見出し→「どうやってフランス人は耐えぬくか」)

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(見出し→「頑張って耐えよう」写真はパリ19区の日曜日の一コマ)

しかも、そのほとんどが、日向ぼっこやピクニックをしていて、マスクを着けていません!

このようにして、天気がよければ多少肌寒くても、外でくつろぐのが最高の過ごし方だと信じて疑わないフランス人たちは、新型コロナの感染者数が増えようが、いや、逆に規制が強化されて自由が奪われれば奪われるほど、外に出れるときはひたすら出る、そして日中に集まれるならいつも以上に集まろうとします。

中には、家でニュース番組に釘付けになって、外に出るのが怖いというフランス人もいないわけではありませんが(私自身、そういうフランス人を数人知っていますが)、それでも、大方は、コロナ禍にはまるでないかのように振舞おうと努めているように見えます。

我が家では、長男がクラスメートからの誘いを受けることが多く、「ずっとマスクを着けていること」を条件に遊びに行かせていますが、一度、長男を迎えに行ったとき、そこのママが自分自身の友人も誘った上、大人二人はマスクをしていなかった、という状況に出くわしたことがあります。

また、隣近所、知人・友人の話を聞くにつけ、身内を集めて開く誕生会を、週末の昼食時にやっている人はかなり多いようです。

外に出れば、鼻マスクの人には必ずと言っていいほど遭遇します。

そして今日の夜のニュースでは、フランス第二の都市・リヨンで300人が野外に集合するパーティーの様子が映し出されました。

・・・というわけで、私が見る限り、フランスで感染拡大が収まらないのは、ウイルスの流行を真に受けないフランス人たちの、不真面目な態度や行動にあるとしか考えられません。

そんな中、この機に及んで行われたのが、マクロン大統領の3度目の全国ロックダウンを要請する演説。

これでやっと、フランス人もまたおとなしく自宅待機することになります。

・・・なぁんて言うのは、大間違いのとんちんかん!!

なんと、3度目の全国ロックダウンは、既にロックダウン中だったパリや南仏同様、朝6時から夜7時まで、10km圏内は自由に移動できる、という甘すぎるほど甘い条件付きなのです!

一度目と二度目のロックダウンは、自宅から一歩でも外に出る用事があれば、それが散歩であれ買い物であれ「外出証明書」というものにいちいち記入してから、それを携帯して家を出なければなりませんでした。しかも仕事や急用の場合を除いて、外出は一人一日一回数時間に限られ、文字通り、人の動きを止める役割を果たしていました。

それが今回は、10km圏内なら証明書なしで出かけていいわけです。

中学・高校は2週間、小学校は1週間は自宅学習(+復活祭休み2週間)となるため、子供たちが学校で感染するリスクは大きく減ります。

とはいえ、子供も近所で友達と遊んだり、10km圏内に住む祖父母などの身内に会うのは自由。

今週末にも早速、フランス各地の公園、川のほとり、海辺に近所の人々がワンサカやってくる様子が目に浮かびます。