酪農家と大型スーパー間で結ばれた協定
のつづき ↓
6月24日、フランスの農業大臣が開いた緊急会議において、酪農家と乳製品製造業者・小売業者間で新たな協定が結ばれました。
ここ数ヶ月一リットル30セント前後で低迷していた原価を今年の8月から12月まで34セントを下限とする、というのが主な内容です。
素人にはピンと来ない数字ですが、酪農家が採算を取るには最低34セント/? で売る必要があるそうです。 なので、とりあえずは最低限の保障を得たことになります。
・・・がしかし、34セントは採算を取るための数字であって、利益はないに等しい。 しかも協定が続くのは今年12月まで。 素人目にもその場しのぎの“和解案”という感が否めません。
ちなみに、ここ数ヶ月のフランス産の一般的な牛乳の小売価格の内訳は以下の通り ↓
原価 30セント
加工業者 29セント
小売業者 13セント
TVA(消費税) 4セント
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合計 75セント
これに4セントを足すと79セント。
つまりは、8月以降、79セント以下で売られる牛乳は何らかの黒い理由がある可能性大!
そして、これまで牛乳、牛乳と言ってきましたが、フランスで最も消費されている牛乳を含む乳製品はチーズだそうです。
2013年採取された牛乳234億リットルのうち、なんと、37%がチーズに加工されました。
(参考)
チーズ 37%
バター 19%
乳飲料(牛乳含む) 11%
脱脂粉乳 8%
ヨーグルト 8%
生クリーム等 7%
というわけで、フランス産の安すぎるチーズやバターも気をつけたほうがよさそうです。
また、フランスで生産される牛乳のうち、フランス国内の大型スーパーに並ぶのはたったの40パーセントだと言われています。 残りの60%のほとんどが輸出されているそうですが、それは今回の協定には含まれないのだとか!
内も外も一件落着と言うにはまだまだ程遠く、協定が解除される来年にはまたトラクターたちが道路に戻ってきそうです。