続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

「慰安婦」に謝ることにした日本

12月28日、日韓の「慰安婦」問題が妥結した・・・

 

 

と聞いて、狐につままれたように感じたのは私だけではないでしょう。

 

 

あれだけ「慰安婦」の存在を小馬鹿にしてきた安倍政権と、あれほど頑なに妥協案を拒んできた韓国政府が合意するなんて・・・

 

 

そう思いながら日仏のニュースを読んでいくと、やっぱりありました。

 

 

アメリカの働きかけ

 

 

=鶴の一声

 

 

一部の識者などは両国首脳を擁護して(?)、元「慰安婦」たちの高齢を考慮した・・・なんていう理由付けをしていますが、そんな思いやりがあるならもっと以前に謝っていたはずなので、やはりアメリカに急かされたというのが一番の理由だと思います。

 

 

中には、理由はともかく妥結したんだからいいじゃない、と思う人もいるようですが、いやいや、“解決”して喜んでいるのは一部の政治家だけで、韓国国民はもとより、日本の国家主義者たちまでもが暴走総理の意思の弱さを憂いでいるという、自己満足レベルの妥結を無理やり遂行したというのは大問題です。

 

 

このニュースに関するルモンド紙の記事の見出しは《「慰安婦」に賠償することにした日本》となっていて、加害国なのに謙虚さのカケラも持ち合わせていない日本の態度がよく表れています。

 

Le Japon accepte de dédommager les ??femmes de reconfort??, esclaves sexuelles durant la guerre

 

 

 

こうやって厄介ごとを片付けるように両国が合意したことで懸念されるのは、「慰安婦」がいたという史実が一気に忘れ去られてしまうのではないかということ。

 

 

「私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない。」

 

 

と、暴走総理は馬鹿の一つ覚えのように言っていて、「慰安婦」の史実を含めたあの戦争を過去のことにしたい気持ちを惜しげもなく表明しています。

 

 

それを評価している御用新聞・産経の「慰安婦」問題妥結後の首相発言を載せた記事の見出しは・・・

 

《安倍首相発言全文 「『次世代に謝罪する宿命を背負わせない』決意を実行」》

 

 

・・・これではまるで謝罪が「慰安婦」のためではなく日本国民のためだったかのよう。

 

http://www.sankei.com/world/news/151228/wor1512280041-n1.html

 

 

 

今回の合意内容は、?被害者の気持ちが汲み取られておらず一方的、?法的賠償を放棄している、?支援内容の具体化はこれから・・・等々、被害者や支援団体にとってお世辞にも納得できるものではありません。

 

 

謝ったらそれで終わりじゃない。

 

 

このブログが掲載した弁護士有志の声明文にもあるように、謝った後も「慰安婦」の被害の実態を究明し続けなければならないし、そうすることで過去を忘れず繰り返さないと誓う義務は、加害国として負い続けなければならないはずです。

 

http://tkajimura.blogspot.fr/2015/12/blog-post.html

 

 

 

 

(弁護士有志の声明文 ↓)

 

日本軍「慰安婦」問題に関する日韓外相会談に対する弁護士有志の声明

 

1 2015 年 12 月 28 日、日本の岸田文雄外相と韓国の尹炳世外相は、日本軍「慰安婦」問 題の解決に関する共同記者会見を行った。

 

2 記者会見において岸田外相は、第一に、「慰安婦」問題か?当時の軍の関与の下に多数の 女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題て?あり、かかる観点から日本政府は責任を痛感し ていること、安倍首相か?日本国の内閣総理大臣として改めて、「慰安婦」として数多の苦 痛を経験され、心身にわたり癒しか?たい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわひ? と反省の気持ちを表明する、と述へ?た。これは、安倍内閣も含めて歴代内閣か?踏襲する としてきた河野談話の一節とほほ?同し?表現て?ある。

これまて?の歴史研究や裁判所の判決等の成果を踏まえるならは?、日本軍か?主体的に「慰 安所」を立案・設置し、管理・統制していた事実や、慰安所て?の性暴力か?国際法や国内 法に違反していたことなと?を認めることか?て?きる。日本政府か?今日「慰安婦」問題の事 実と責任に言及するのて?あれは?、これらの研究成果等も踏まえるへ?きて?あり、それか?被 害者の求めていることて?もある。その点て?、岸田外相の上記言及は不十分と言わさ?るを得ない。

 

3 第二に、日本政府は、韓国政府か?設立する財団に日本政府の予算から約10億円を一 括して拠出し、日韓両国政府か?協力して、「慰安婦」被害者の方々の名誉と尊厳の回復、 心の傷の癒やしのための事業(以下「名誉回復等事業」という。)を行うとしている。し かし、その内容は不明て?あり、具体化は先送りされたといえる。

(1) 名誉回復等事業の一環として、日本政府か?女性のためのアシ?ア平和国民基金(アシ?ア女 性基金)解散後のフォローアッフ?事業の規模拡大を検討している旨報し?られている。し かし、アシ?ア女性基金は国の責任を曖昧にしたとして批判され、韓国の「慰安婦」被害 者の多くか?アシ?ア女性基金からの償い金の受領を拒否した経緯か?ある。そのため、アシ? ア女性基金のフォローアッフ?事業に対する被害者及ひ?支援者からの批判は強い。したか? って、フォローアッフ?事業を名誉回復等事業として行うへ?きて?はない。

(2) そもそも、日本軍「慰安婦」問題解決に最も重要なことは、日本政府か?、「慰安婦」へ の加害と被害の事実と、それに対する責任を明確な形て?認め、公式に謝罪をすることに ある。そして、被害者らか?求めているのは、その謝罪の証としての賠償て?あるし、「慰安 婦」問題の真相究明や、義務教育課程の教科書への記述なと?の再発防止措置なと?て?ある。

(3) 賠償に関しては、日本政府は、日韓請求権協定第 2 条第 1 項か?請求権問題について「完 全かつ最終的に解決された」と規定していることにより日本は法的な責任を認めること はて?きす?、また法的な賠償を行うことはて?きないという説明を繰り返し表明している。 しかし、このような説明はミスリーテ?ィンク?(誤導的)て?ある。

日韓請求権協定第 2 条第 1 項は、以下のとおり、日本政府か?被害者個人に対する法的 な責任を認め、法的な賠償を行うことについての障害とはならないからて?ある。

すなわち、中国人「慰安婦」被害者についての事件に関する日本の最高裁判所の判決 (2007年4月27日)は、サンフランシスコ講和条約及ひ?日中共同声明の請求権放 棄条項(以下「請求権放棄条項」という。)について、「請求権を実体的に消滅させるこ とまて?を意味するものて?はなく、当該請求権に基つ?いて裁判上訴求する権能を失わせる にとと?まる」と判示した。また、同日に出された中国人強制連行被害者の事件に関して、 最高裁は請求権条項に関し上記と同し?論理を述へ?たうえて?、「個別具体的な請求権につい て、その内容等にかんか?み、加害者側において任意の自発的な対応をすることは妨け?ら れない」と判示した。裁判上の請求は認められないか?、裁判手続の外て?賠償を受ける法 的権利としては残っているとしたのて?ある。この最高裁の判決の論理は日韓請求権協定 第2条第1項の解釈にも妥当する。したか?って、同協定第 2 条第 1 項は、日本政府か?被 害者個人に対する法的な責任を認め、法的な賠償を行うことについての障害にならない。 ところか?、以上の理を、日本政府は、国民や社会に対して十分に説明せす?、同協定第 2 条第 1 項を理由に法的責任、法的賠償か?て?きないとしてきた。今回、これを改め、日本 政府は、最高裁の判断を尊重し、被害者個人の賠償請求権か?実体的には消滅していない ことを前提に、解決を図るへ?きて?ある。

(4) 仮に名誉回復等事業か?、日本政府の「慰安婦」問題に関する謝罪の証として行われるの て?あれは?、その内容は前記のとおり被害者の要求に適合したものにすへ?きて?あり、その ためには、名誉回復等事業の策定過程において、「慰安婦」被害者や支援者の意向を十分 に反映すへ?きて?ある。

 

4 第三に、日韓両国政府は、名誉回復等事業か?着実に実施されるとの前提て?、「慰安婦」 問題か?最終的かつ不可逆的に解決されることを確認したとしている。

(1) 日本軍「慰安婦」問題の最終的解決のためには、日本政府による「慰安婦」に対する加 害と被害の事実と責任への具体的な言及と謝罪、謝罪の証としての賠償等か?誠実に実施 されることか?なけれは?ならない。前記のとおり、日本政府の事実及ひ?責任への言及は不 十分て?あるし、名誉回復等事業の内容も定まっていない。このような段階て?、日韓両国 外相の合意により最終的かつ不可逆的に解決したなと?ということはて?きないし、最終的 な解決を「慰安婦」被害者の頭越しに両政府か?取り決めることはて?きない。

(2) 日本軍「慰安婦」問題の解決のためには、日本政府か?心からのおわひ?と反省の気持ちを 表明するた?けて?はなく、それを被害者らに受け入れてもらえるように、日本政府か?不断 の努力を行動て?示すことか?必要て?ある。そこには、「慰安婦」の被害実態を否定しようと する言説に対して日本政府か?敢然と反駁するなと?、日本政府の一貫した姿勢を示すこと も含まれている。それらの努力か?継続されることて?、被害者や遺族や支援者なと?から信 頼を得ることか?て?きるのて?あり、それにより初めて日本軍「慰安婦」問題の最終的解決に近つ?くのて?ある。両国政府間て?「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した」からといって、日本軍「慰安婦」問題か?最終的に解決したとは言えない。

(3) 記者会見て?は、日本軍「慰安婦」問題の最終的かつ不可逆的に解決されたといえるため には、その前提として、日本政府か?表明した措置を着実に実施することか?必要て?あると されている。日本軍「慰安婦」問題か?最終的解決に至るか否かは、「慰安婦」に対する加 害と被害の事実への具体的な言及と謝罪か?行われ、名誉回復等事業の内容か?被害者の要 求に適合していることを前提に、日本政府か?それを着実に実施することて?被害者等の信頼を得ることか?て?きるのか否かにかかっているのて?ある。

 

5 第四に、日本政府は、韓国政府と共に、国連なと?国際社会において、「慰安婦」問題に ついて互いに非難・批判することは控えるとしている。この点、韓国外相は、「日本政府 か?表明した措置か?着実に実施される」ことを前提としたうえて?、互いに非難・批判する ことは控えると述へ?ている。

したか?って、今後日韓両国政府か?相互非難・批判を自制て?きるか否かは、名誉回復等 事業の内容の確定と、日本政府によるその着実な実施にかかっているのて?ある。

 

6 第五に、韓国政府は、在韓国日本大使館前の少女像に関し、可能な対応方向について 関連団体との協議を行う等を通し?て、適切に解決されるよう努力する、としている。

少女像は「慰安婦」被害者を支援する韓国の民間団体か?設置したものて?ある。そのた め、日韓両国政府か?少女像について解決への努力に合意したとしても、その合意自体、 当該民間団体を法的に拘束するものて?はない。

そもそも少女像は、駐韓日本大使館前て?日本軍「慰安婦」問題の解決を求めて行われ てきた「水曜テ?モ」か? 1000 回を迎えたことを記念して建てられたものて?ある。その経緯 に鑑みれは?、少女像の適切な解決のために最も重要なのは、日本政府か?日本軍「慰安婦」 問題に対する従来の姿勢を改めて事実と責任を明確に認め、日本軍「慰安婦」被害者や 支援団体の理解を得ることて?ある。

記者会見て?は、少女像の解決への努力は韓国政府か?負担することになったとされたか?、 本来は、日本政府か?「慰安婦」被害者や支援団体の理解を得ることか?て?きるかと?うかに よるのて?ある。

 

7 以上のとおり、日本軍「慰安婦」問題に関して日韓両国外相間て?合意か?成立したとい うものの、問題は先送りされておりいまた?問題の解決に至っていない。日本軍「慰安婦」 問題の解決は、今後の日韓両国政府及ひ?日韓両国市民の取組にかかっているのて?あり、 今般の日韓外相合意はその出発点に過き?ない。

日本軍「慰安婦」被害の実態を究明し、これを世界や、後世に伝えていくことは、日 本政府か?真に事実と責任を認め、謝罪の意思を有していることを示す証て?あるとともに、未来に向けて二度と同し?過ちを繰り返さす?、真に人権か?保障される社会を築こうとする 決意の表れて?もある。それは日本を貶めることて?はなく、かえって、これこそか?日本の 目指すへ?きところて?ある。もとより「慰安婦」被害者は韓国人被害者た?けて?なく、朝鮮 民主主義人民共和国(北朝鮮)、中国、台湾、フィリヒ?ン、イント?ネシア、東ティモール、 オランタ?なと?の地域に存在する。これらの被害も含めて「慰安婦」被害全体についての 事実究明、教育、広報を通し?てこそ、日本か?いまも人類か?克服て?きていない、戦時の性 暴力被害を地上から撲滅する先頭に立つことか?て?きる。それこそか?日本か?目指すへ?き目 標て?あり、今回の合意はこの目標にかなうものて?なけれは?ならない。

 

私たちは、今回の合意か?その目標に向けた新たな取り組みの出発点として、日本政府 か?、韓国政府の協力のもと、「慰安婦」被害者の要求を踏まえて、「慰安婦」への加害と 被害に具体的に言及し、責任を認め、誠実に謝罪をするとともに、その謝罪の証として 賠償等の具体的な措置を、被害者か?受け入れることか?て?きるような内容、形態において、 誠実に実施することを強く求めるものて?ある。

 

2015 年 12 月 30 日

  日本軍「慰安婦」問題の解決を求める弁護士有志(五十音順)

 

弁護士足立修一 弁護士泉澤章  弁護士伊藤真 弁護士岩月浩二  弁護士殷勇基 弁護士内田雅敏  弁護士大森 典子  弁護士小野寺 信勝  弁護士川上詩朗 弁護士姜文江  弁護士金 英功  弁護士金 昌浩  弁護士金 哲敏  弁護士金 奉植  弁護士金星姫 弁護士黒岩哲彦  弁護士後藤富和 弁護士崔信義 弁護士 在間 秀和 弁護士 澤藤 統一郎 弁護士宋 惠燕 弁護士張 界満

弁護士角田由紀子 弁護士 西村 武彦 弁護士 迫田 登紀子  弁護士福留英資 弁護士穂積剛

弁護士 穂積 匡史 弁護士 山本 晴太 弁護士 坂口 禎彦  弁護士 菅本 麻衣子  弁護士?崎 暢

弁護士鄭 文哲  弁護士 中川 重徳  弁護士 柏熊 志薫  弁護士 秀嶋 ゆかり