続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

悪夢のような3か月半

ブログを始めてからこんなに更新が滞ったのは初めてなので、もう誰も更新を期待している人はいないかもしれませんが・・・

 

この3か月半、何をしていたかというと・・・

 

 

 

なんと、二人目を妊娠して、酷いつわりに苦しんでいました。

 

二人目を授かること自体は望んだことなのですが、つわりの酷さは想定外でした。

 

つわりというと、「吐き気を催して妊娠発覚!」みたいなイメージが定着しているかと思いますが、私の場合、妊娠して間もない4週目(=フランスでは2週目)ごろから軽い胸やけが始まり、下痢が続き、起床とともに鼻血が出て、髪の毛がどっさり抜けるという、何か深刻な病気にでもかかったのではないかと心配になってしまうほどの急激な体の変化に襲われました。

 

焦って調べてみると、どれもホルモンの影響で妊娠超初期に見られる症状でした。

 

胸やけや吐き気はよくある妊娠の症状ですが、下痢や抜け毛はその逆の症状に悩まされる妊婦さんのほうが多く、7年前に息子を妊娠していたときは私もどちらかというと、便秘になったり髪の毛が全然抜けなくて驚かされた記憶があります。

 

そんなこんなでたったの数週間で妊娠を確信したわけですが、その後はつわりがあれよあれよという間に酷くなり、体を起こして何かをすることがとにかく苦痛で、ほぼ寝たきり状態になりました。

 

で、寝ていれば大丈夫だったかというと、そんなことは全然なく、横になって安静にしているのに辛い、とにかく辛い!何がどう辛いかというと、吐き気と頭痛と動悸と極度の疲労感が時には交互に時には同時にやってくるという、一言では言い表せない症状が続いたからです。

 

つわりは病気ではないので、とにかく治まるのを待つしかありません。

 

日本でも、息子を妊娠・出産したオーストリアでも、つわりは点滴を要するほどの重症でもない限り“時間が解決してくれるもの”と、捉えられています。

 

 

 

 

 

・・・とはいえ、ここは薬に頼る国・フランス。

 

つわりの期間が長かったこともあって、複数回に渡って這うようにして産婦人科の検診を受けるたびに、ありとあらゆる薬の処方箋が出されました(汗)

 

まず、最初(7週目)に処方されたのが、Maternovという、原材料・100パーセントオーガニックの吐き気止め。

 

 悪夢のような3か月半

その原料は・・・オーガニック ジンジャー☆

 

箱には、「85%が効果を実感!」、「アジアでは先祖代々伝わる、つわりの“治療薬”」などと書かれています。

 

副作用のないショウガでつわりが治まればどんなに楽だろう・・・と希望を抱いたのもつかの間、万年少数派の私はやはりここでも15%に属したらしく、薬の効果と言えばただ単にお腹がすきやすくなっただけでした(涙)

 

ただ、“オーガニック”と言われると拒否できない性質なので、“飲み続けていれば少しは効果があるかも!?”という微かな希望を持ちつづけて、一箱飲み切りました。

 

水分を摂るのが苦痛だったので7日で飲み切るべきところを2週間かけましたが、つわりの症状は一つも改善しなかったものの、お腹がすいて食事をとらざるを得ないようになったのは、今考えれば良いことでした。

 

なぜかって、重い身体を起こして無理やり食べ続けたことで、極端な体重減少を避けることができたからです。

 

 

 

 

そして12週目、つわりがピークに達していたころ、ふらふらの身体で診察を受けて処方されたのが、コレ ↓

 

悪夢のような3か月半

 

 

 

・・・って誰がどうみても薬ではない、“乗り物酔い止め・ブレスレット”(爆)

(※左が表で右が裏)

 

手首に吐き気を止める“ツボ”があるとかで、そこにプラスチック製の半球が命中するように手首にはめる。

 

そして待つ・・・

 

・・・辛いつわりを我慢しながら結構待ったんですが、見た目以上のゴム紐の締め付け感が気になって気になって、優雅に何時間も待てる代物ではありませんでした。

 

そのほか、吐き気止めの類は、3種類以上処方箋が出されましたが、どれも医薬品で胎児への影響がないとは言い切れず(それでなくても薬の副作用は必ずと言っていいほど現れる身体なので)、どれも処方してもらいませんでした。

 

そもそもが、胸やけや吐き気は個人的には一番つらい症状ではなかったので、それが治まったところであまり意味がありません。

 

 

 

 

そんなこんなで迎えた14週目の検診。

 

「とにかく起きていられないんです。」

 

すがるように症状を伝えると、

 

甲状腺の検査をしてみましょう。」

 

という思いがけない返事が返ってきました。

 

甲状腺って・・・!?

 

ここまで読んで気づいた方もいるかもしれませんが、オーストリアでつわりが酷かったときは、その間に検診が一度もなく、医療関係者に症状を伝える機会が一度もなかったのですが、なぜかフランスでは、毎月、多いときは月2回の検診があって、ショウガもダメ、吐き気止めもダメ(って飲んでないけど)、ブレスレットもダメ(ってほとんどつけてないけど)、それじゃぁ・・・

 

と行き着いたのが、甲状腺の検査だったのです。

 

お節介とも言える検診の多さが導き出してくれた診断というかなんというか・・・

 

 

ただ、甲状腺の検査とはいえ、エコーなどで異常がないかを調べるのではなく、私が受けたのは血液検査。

 

またまた重い身体を押して検査所に向かった結果・・・

 

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される、「一過性甲状腺機能亢進症」にかかっていることがわかりました。

 

つわりが酷い人に多くみられる症状だそうで、胎盤がつくるhCGというホルモンによって甲状腺が刺激されるためなのだそうです。

 

少し前に、サッカーの本田圭佑選手が「バセドウ病」という病気にかかっているのではないかと話題になったことがありましたが、そのバセドウ病と甲状腺の状態がそっくりで、

 

“甲状腺ホルモンの過剰な分泌によって、からだの代謝が異常に活発になり、疲労感、動機、からだのふるえなどがみられ、「寝ていても運動しているような」といわれるほど代謝の機能が異常に活発になってしまう” (バセドウ病の主な症状)

 

 

https://welq.jp/7714

(※リンク先は、もう一つの甲状腺の病気「橋本病」について書かれていますが、バセドウ病や妊娠・出産と甲状腺の関係についても触れています。)

 

・・・とまぁ、私が苦しんだ症状そのもの。

 

 

ちなみに、具体的な数値はというと、甲状腺ホルモンの量を調節する役割を担っている甲状腺刺激ホルモン(TSH)の正常値が0,3〜4,9なのに対して、私は0.009という、文字通りの微々たる量しか検出されず(※)、産婦人科医に「危なかったね」という感想を漏らされるほどでした。(※甲状腺刺激ホルモンが少なければ少ないほど甲状腺ホルモンが大量に出て、症状が重くなる)

 

って、命が危険にさらされていたということですか?と聞いた頃には、数値が正常値(と言っても0,7)に戻っていて、ヨードの処方などの治療を受けることなく、つわりはほぼ終了。

 

でも、甲状腺とつわりの関係がわかったことで、いつか終わりはやって来る、と自分に言い聞かせて冷静に数値が上昇するのを待つことができました。

 

 

 

 

気が付けばすでに20週目。

 

息子(一人目)を妊娠したときもつわりはそれなりに酷く、「息子が小さいうちは二人目はありえない」と思っていましたが、今回のつわりを経験して「3人目は何が何でも作らない!」と誓うこととなりました。

 

 

つわりの強弱は妊婦それぞれで、全くない人もいます。

 

私の周囲にも「全然なかった」という人が数人いて、そういう人に限って皆、子沢山だったりします。

 

それとは逆に、一人しか生まなかった人の中には「つわりが辛すぎて二人目を妊娠する気になれなかった」という人がいるのも事実。

 

こればっかりは何をどう気を付けていても予防することはできず、運次第なのでしょう。

 

あぁ、つわりがない人が羨ましい!