続・真(ま)フランスの日常

フランスの時事、フランス生活の実態、エコライフ、日本を想う日々・・・                                    (ココログで綴っていた「真(ま)フランスの日常」 http://mafrance.cocolog-nifty.com/ の後継ブログです) 反核・反戦!

テロリストはフランシュ・コンテ地方出身

イスラム国「建国」一周年を3日後に控えた6月26日金曜日、フランスでまたテロが起きました。

 

 

同日、チュニジア、イラク、クウェートでも大規模なテロが起きていて、イスラム国が故意に起こした同時多発テロとも言われています。

 

 

フランスのテロ現場は、リヨンの南東40kmに位置するSaint-Quentin-Fallavierという工業地帯にあるガス工場。

 

 

実行犯一人、死者一人、負傷者二人と規模は小さいものの、犯行の残虐さは目に余るものがあります。

 

 

個人的な恨みが原因だったのか、襲撃されたのは実行犯の上司。実行犯は標的(上司)の頭部を切断した後、それをフェンスに突き刺し、イスラム国の旗を両側に掲げたと言われています。(フランスのテロ史上「首斬り」は今回が初めて)

 

 

実行犯の名前はYassin Salhi(ヤシン・サリ)。 ※日本の報道では、「サリ」ではなく「サルヒ」と表記されていますが、フランス語ではHを発音しないので「サリ」と呼びます。

 

 

フランシュ・コンテ地方南部のポンタルリエという街で生まれ育ち、地元のモスクを通してサラフィー主義(※)集団に加わったため、2004年からの数年間、国家警察の要注意人物リストに登録されていました。

 (※ サラフィー主義とは、イスラム教スンニ派の厳格派で、初期イスラムの時代を模範としそれに回帰しようとする思想のこと。ここ数年、ドイツなどのヨーロッパ諸国で活動が活発化している。)

 

 

土曜日の地方新聞の一面は当然この事件で、事件の詳細や実行犯の生い立ちなどが4面に渡って掲載されました。

 

 

1月7日のテロ以来、こうしてイスラム国に関わったフランス人が地方新聞で一面を飾るのは、私の知る限り3度目。

 

 

一度目は、このブログで宮崎駿氏宛てに書いた手紙で取り上げた、イラクで自爆テロを起こして死亡したとされる19歳のフランス人(非移民系)。

 

 

二度目は、イスラム国の勧誘ビデオに登場して地元住民を驚かせた、Haute-saône県出身のフランス人(彼も非移民系)。彼は、今も戦闘員として活動していると見られているため、顔にはモザイクがかけられていた。

 

 

そして今回。実行犯Yassin Salhiとイスラム国との関係ははっきりしませんが、一方的に興味をもっていただけだとしても旗を掲げたのは事実で、今後の捜査で詳細が明らかになるものとみられています。

 

 

私は地方新聞を定期購読していないので、他にも一面を飾った「フランシュ・コンテ地方出身のフランス人戦闘員」はいるかもしれません。そして、フランス各地の地方新聞には、定期的に戦闘員に関する記事が掲載されていることは想像に難くありません。

 

 

もうフランスのどこでテロが起きてもおかしくない。

 

 

フランスのモスクの多くは「新入りが通うようになったら注意している」とし、怪しい人物は追放する例も少なくないそうですが、追放されてから更に過激化するのでは元も子もありません。

 

 

これ以上フランス人戦闘員を増やさないためにも、国はもとよりモスクや教育機関が協力し合って彼らが過激化する前に手を打つことが求められていると思います。

 

 

 

 

 テロリストはフランシュ・コンテ地方出身

6月27日付け地方新聞「L'est Républicain」の一面「ジハードはポンタルリエ出身」。写真で警察に連行されているのは実行犯の配偶者。

 

 

 

 

 テロリストはフランシュ・コンテ地方出身

一面右上に掲載された風刺画 イスラム国の戦闘員と見られる人物が「・・・人類の退廃に大きな一歩・・・」と言いながら拳を振りかざしている。(「EN ARRIERE=後ろに」が逆さ文字(!))